【モデルカーズ】単なるオマージュ&コスプレに終わらないポルシェの矜持【Porsche 935/19】

【モデルカーズ】単なるオマージュ&コスプレに終わらないポルシェの矜持【Porsche 935/19】

今やフェラーリやランボルギーニだってSUVを作る時代である。自動車といえば、SUVのような形のクルマを思い浮かべる人が大半を占める時代が来るかもしれない(すでに来ている可能性もあるが)。

911を中心に2シータースポーツの718、SUVのカイエン&マカン、サルーンではパナメーラとBEVのタイカンまで揃える。photo:Porsche newsroom

そんな中で、SUVを手堅く売りつつ、しっかりとスポーツカーも作り続けている自動車メーカーがポルシェである。特に同社の看板車種である911はいまだに右肩上がりで生産数を伸ばしている。昨今、そこかしこで聞く、“スポーツカー冬の時代”なんてものはポルシェには到来することは無いのかもしれない。

スポーツカーファンの永遠のアイドルといえる911カレラ photo:Porsche newsroom

中古車市場でも強い911は高値堅調で、限定車や生産数の少ないハードな仕様の911は新車価格を上回る値段で取引されることもザラ。そして、いまだに、そう言った値上がり必死のレア911の新車を手に入れるには、一見さんはお断り、場合によっては何かと何か(もちろん両方ポルシェだ)を抱き合わせじゃないと買えない、なんて話が実しやかに囁かれている……と、前置きしたところで、どうだろう、このメイクアップのモデルカーが題材に選んだ復刻版935は!

メイクアップ Porsche 935/19 2019 通常価格:47,300円(税込)

元ネタの935と言えば、その車名は「930シリーズをベースにしたグループ5仕様」を意味している通り、競技用に作られたReady to Raceな911である。さらに言えば、グループ5というカテゴリーでは無敵過ぎて、同カテゴリーを終焉に向かわせてしまったというのも有名な話。スカイラインGT-R(BNR32)とグループAカテゴリーの関係性にも近いところがある。

935の中でも、ポルシェがル・マン24時間のために作ったモビーディック(白鯨)なるニックネームで知られるロングテールの最高速スペシャル、935/78は極めてアイコニックな存在だ。マルティニカラーをまとったそのマシーンは、1978年のル・マン24時間においてユノディエールの直線を366km/hで駆け抜け、シーンによっては格上のグループ6カーを凌ぐ速さを見せた。

Porsche 935/19 photo:Porsche newsroom

そんな名車中の名車をポルシェが同社の70周年を祝してオマージュしたのが、サーキット走行専用マシンとなる、復刻版935である。ややこしいことにこの復刻版もシンプルに「935」と名乗ったが、昨今では登場年の2019年に合わせて935/19と呼ぶのが一般的なようだ。

外観は長いテールや、911のアイデンティティであるフロッグアイをシェイブした935/78の意匠を受け継ぎ、フェンダーも一世を風靡した空気が通りぬけるようなシルエットスタイルとなっている。ところが、さすがはポルシェ。“見掛け倒し”なんていうのは絶対に許されないわけで、中身はポルシェのRR車の中では最高性能を誇る、3.8リッターのフラット6ツインターボ搭載の991シリーズのGT2を流用している。

そんな935/19がたった77台だけ生産されたのは今から7年も前。メイクアップでは、日本に存在する(存在するのだ!)935/19の現車を取材/撮影/3Dスキャンして、実車をそっくりそのまま1/43スケールのモデルカーにしている。実車の登場時は、ちょっとコスプレ的な雰囲気が無くも無かったが、今となってみれば手放しにカッコいい。

全77台がいったいどんなボディ色やカラーコンビネーションでデリバリーされたのかも大いに気になるところだが、そのあたりを踏まえつつ、今後のメイクアップ製935/19のバリエーション展開にも注目しておきたいところだ。
【メイクアップ】ポルシェ935/19 2019商品ページ

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どんな高額なスポーツカー/スーパーカーにも当てはまることだが、そのオーナー像というのはふたつに大別されると思う。ひとつは「他人の目を意識するタイプ」で、もう一方は「他人の目を気にしない、自己完結型」だ。しかし“ロードゴーイング・レースカー”の異名を取る、ポルシェ911 GT3オーナーの中には、その中間のような存在がいる。そこに目をつけたのは他でもない、ポルシェ自身である。 GT3といえば、ハイチューンの自然吸気ユニットを積み、後席を取り除くなど徹底した軽量化が追求されたピュアスポーツモデル。その真価を合法的に発揮したいのならば、サーキットに直行した方が無難とも言えるキャラクターが売りで、標準型の911とは異なる、“クルマを地面に張り付けてやろう”と言わんばかりのエアロディバイスや屹立したリアウィングなどで、溢れんばかりの“ヤル気”を周囲にまき散らしている。もちろん、それは「他人の目を意識するタイプ」のオーナーにとってはステイタスシンボルのようなもので、虚栄心も大いに満たしてくれることだろう。 しかし、GT3には乗りたいけど、あの“これ見よがし感”がちょっと気恥ずかしいという、奥