【モデルカーズ】復活を遂げた純マクラーレン製ロードカーの頂点を細密モデルで愉しむ【McLaren P1】

【モデルカーズ】復活を遂げた純マクラーレン製ロードカーの頂点を細密モデルで愉しむ【McLaren P1】
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1966年にフォーミュラワン(F1)参戦を開始し、その後ル・マン24時間やCAN-AM、インディ500なども制するなど、世界的にその名を知られるレーシングチームでありコンストラクターでもあるマクラーレン。その中でもやはり1980年代後半、全盛期のセナ/プロストの両選手が搭乗したマルボロカラーのマシーンたちは我々日本人の記憶に一番強く焼き付いていることだろう。

McLaren F1 Photo:McLaren

そんなフォーミュラワンでの活躍を目の当たりして、あの技術を活かしたロードカーというものは実現し得ないのだろうか? そう感じたクルマ好き(もちろん裕福なという前提はあるが)は少なくないはずで、それをマクラーレン側も感じ取ったのだろう、1985年にはロードカーの開発を目的としたマクラーレンカーズが設立され、フォーミュラワンで培われたカーボンコンポジット技術を転用したスーパースポーツ、その名も「マクラーレンF1」が発売されたのは1992年のことである。マクラーレンの名こそ有名だが、同社のロードカーは史上初で、まだ海の物とも山の物ともつかないF1ではあったものの評価は極めて高く、数年間をかけて106台が世界の裕福なエンスージァストのもとにデリバリーされた。

Mercedes-Benz SLR McLaren 722(Photo:NewsPress UK)

そんなマクラーレンカーズだが、F1に続くロードカーを発表することのないまま、メルセデス・ベンツとのコラボレーションでロードカーのSLRを生み出した後に活動は冬眠状態となる。そして2010年マクラーレンカーズはその名も新たにマクラーレン・オートモーティブとして復活し、同社は今後、エントリーモデル、中核モデル、そのさらに上を行くフラッグシップモデルの3レンジで車種展開することをアナウンスする。その先陣として2011年にMP4-12C、2012年にMP4-12C スパイダーという中核モデルがリリースされ、2013年にはいよいよフラッグシップであるマクラーレンP1が登場する。

McLaren P1 Photo:McLaren

P1はマクラーレン・オートモーティブ初のハイブリッド・スーパースポーツで、マクラーレンのロードカーの原点である“F1”の後継ともいえる存在。エンジンは3.8リッターのV8ツインターボで737馬力を発生、これに179馬力のモーターを組み合わせたトータル出力は916馬力となり、最高速度350km/h以上、0-100km/h加速は2.8秒という当時としては驚異的な性能を誇った。車体はカーボンコンポジット製のモノコック構造を採り、1,395kgと超軽量。エクステリアのデザインは野生動物にインスパイアされたというマクラーレンらしく、過飾を嫌ったシンプルなもので、エアロディバイスは最大で 600kg のダウンフォースを発生させる可動式フロントおよびリアウィングが装備されているが、格納時はいたってシンプルな意匠だ。同車は300余台が生産され、日本では9,662万円(税込)で販売された。

こちらに紹介するのは製造業に於いてアウトソーシング化が進んでいることもあり、世界的に見ても珍しい、取材から設計・生産までを一貫して自社で行うメイクアップ製の1/18スケールモデル。昨今はモデルカーと言えど、しっかりと版権元(自動車メーカー)に製造許可を受けて、監修をクリアしない限り製品化は出来ない。しかもロイヤリティなどを納める必要もあり、かなりハードルは高い。もちろんメイクアップはマクラーレン・オートモーティブの正式な許可を受けており、その証に実車の設計データを委ねられて、それと付き合わせて原型を設計しているといういわばお墨付きの存在。

形状の正確さもさることながら、例えばマクラーレン自慢のカーボンコンポジット素材の表現などは当該部位に繊細なカーボンパターンの印刷されたデカールを複雑な曲面にシワひとつなく貼り込み、その上から濡れたようなツヤを見せるオーバーコーティング塗装を吹き付け、すべて表面を研磨して鏡面仕上げとしている。車体はレジン製で鋳造成型となるが、流麗な車体に馴染む美しい三次曲面を描くウィンドウ類はコストのかかる金型を使ったインジェクション成形部品を使用している。

ボディカラーも実車の純正色の色調に忠実なものとして、写真で見る限りは本物と見紛うクオリティに仕上げている。気が付けば時代の先を行くハイブリッド・スーパースポーツとして大いに話題となったP1のデビューから早13年。古臭くなるどころか、その魅力は不変、というよりも増して見える気がするのは見た目の派手さは追わない、”Form equals function”、形体は機能に従う、というマクラーレンがP1の説明に使う表現をはからずしも実証したと言ってもいいのかもしれない。

【メイクアップ】マクラーレンP1 商品ページ=https://makeupcoltd.co.jp/products/detail/1787

「model cars(モデルカーズ)」
国内で唯一の自動車模型の総合月刊誌(毎月26日発売)
https://www.neko.co.jp/tax_magazine/modelcars

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[ナカジ~のティーポ的コラム07]ワンダーランド・マーケットにお邪魔しました
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[ナカジ~のティーポ的コラム07]ワンダーランド・マーケットにお邪魔しました

4月12日(日)に、第122回ワンダーランド・マーケットを見学に、横浜産貿ホールに出かけてきました。年3回、4月、7月、12月に行われるアンティークトーイ・フェアで、1981年から続く、恒例のイベントです。  ついこの間、100回記念をお祝いしにお邪魔したと思ったのですが、もうあれから8年も経過していて、ちょっと驚きました。  今回は会場でのヒストリックカーの展示などは行われていませんでしたが、やはり各ショップや個人の方が出展されているブースを眺めて回るだけで、本当にわくわくしました。ただ会場に着いたのがお昼過ぎで、良いものはかなり売れてしまっていたようで、自分はイギリス・ディンキーのホールデン・スペシャル・セダンだけ買って帰ってきました。  このワンダーランド・マーケットを1981年に始められ、今も主催者として活躍されているのが、テレビ東京の「なんでも鑑定団」でミニカーの鑑定士を務める宇野規久男さんです。宇野さんは若い頃、横浜元町にあったおもちゃ屋さん「千代田ママストア」にお勤めでした。このお店、店内奥の一面全てがミニカーのケースになっており、宇野さんはそこでミニカーのスペシ

[ナカジ~のティーポ的コラム06]スズキ歴史館で懐かしい2&4輪に会ってきました。
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[ナカジ~のティーポ的コラム06]スズキ歴史館で懐かしい2&4輪に会ってきました。

ジーロ・ディ三河~遠州の車両紹介アナウンスのため、ルノー・ドーフィンで愛知県の豊川稲荷まで往復したときのこと。往路は渋滞を避けて早朝に東京をスタートしたため、お昼前には浜松に着いていました。そこで事前に予定していた通り、スズキ本社工場前にある、2輪と4輪のミュージアム「スズキ歴史館」を初めて見学してきました。 メンバーは、自分と奥村カメラマン、ドーフィンのオーナー紀伊さんと、スズキ・スイフト・スポーツで取材に来ていた沼田カメラマンのおじさん4人組。こういうミュージアム大好きなおじさんたちはすっかり盛り上がって、見学してきました。 1階にはロビーとショップスペースがあり、何台かバイクも展示されています。そのうちの1台は、1993年のロードレース世界選手権でケビン・シュワンツがチャンピオンを獲得した時のRGV-γ。この翌年春の鈴鹿の日本GP、私は場内FM放送でヘアピンの実況を担当していまして、このγに乗るシュワンツと阿部ノリック典史のホンダNSRが激しいトップ争いをするのを、大興奮して実況した記憶があります。残り3周の1コーナーで転倒してノリックのWGPデビューウィンの夢はついえた

【メカ好き必見】老舗腕時計ブランドのCORUMが新作アドミラルを発表【WATCHES&WONDERS 2026】
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ブランド再構築で伝統のアドミラルを刷新 1955年創業のスイス高級腕時計ブランドであるCORUM(コルム)は、この4月にジュネーヴで開催されている新作ウォッチの展示会「WATCHES&WONDERS 2026」に初出展。注目は、昨年から始動した原点回帰のリブランディングにより、同社の象徴であり海へのオマージュを表現した「アドミラル」コレクションのリニューアルで、ケース、ムーブメント、ブレスレットの至るまで全設計を一新して、直径39mmと36mmの2サイズ全11の新世代モデルとなる。 12角形ケースや国際海洋信号旗インデックスといった象徴的要素ベースに、デザインやバランス、視認性、装着感といった各要素を再検証。従来からの伝統的なイメージを維持しながらも現代にフィットするよう再設計し、ひと目で「アドミラル」と認識できるアイデンティティを保ちながらも、日常ユースでの完成度を高めたコレクションへと進化。具体的には、アイコンでもある国際海洋信号旗を従来のグラフィカルな表現から立体的なトラペーズ(台形)型アプライドインデックスへと変更し、光の反射によって奥行きと高級感、判読性を獲得している。