[ナカジ~のティーポ的コラム06]スズキ歴史館で懐かしい2&4輪に会ってきました。
ジーロ・ディ三河~遠州の車両紹介アナウンスのため、ルノー・ドーフィンで愛知県の豊川稲荷まで往復したときのこと。往路は渋滞を避けて早朝に東京をスタートしたため、お昼前には浜松に着いていました。そこで事前に予定していた通り、スズキ本社工場前にある、2輪と4輪のミュージアム「スズキ歴史館」を初めて見学してきました。

あ、我々が来館者100万人目ではありません、念のため。おじさん4人組は、名車の山にすっかりはしゃいでおりました。
メンバーは、自分と奥村カメラマン、ドーフィンのオーナー紀伊さんと、スズキ・スイフト・スポーツで取材に来ていた沼田カメラマンのおじさん4人組。こういうミュージアム大好きなおじさんたちはすっかり盛り上がって、見学してきました。
1階にはロビーとショップスペースがあり、何台かバイクも展示されています。そのうちの1台は、1993年のロードレース世界選手権でケビン・シュワンツがチャンピオンを獲得した時のRGV-γ。この翌年春の鈴鹿の日本GP、私は場内FM放送でヘアピンの実況を担当していまして、このγに乗るシュワンツと阿部ノリック典史のホンダNSRが激しいトップ争いをするのを、大興奮して実況した記憶があります。残り3周の1コーナーで転倒してノリックのWGPデビューウィンの夢はついえたんですが、自分はヘアピンにいたのでその映像は見ていないんです。あれはいいレースだったなぁ……。
2階には、スズキの乗用車の開発と生産を体験できる展示があり、私は自分がサラリーマン時代に新型車開発に携わっていた頃を思い出しました。また地元浜松近郊「遠州地方」の文化を紹介したり、スズキの海外工場がある国の紹介をするスペースもありました。
メインの3階は、まずスズキの原点である、創業から約40年間の鈴木式織機の展示がありまして、その奥にバイクとクルマが展示されています。
日本初の軽四輪乗用車にしてスズキ最初の四輪車初代スズライトSSの商用仕様スズライトSL。この時代にしてFFを採用していました。エンジと黄色のツートンカラーはSLをさらに実用的にしたデリバリーバンのスズライトSD。その隣に1959年登場の2代目スズライトTLが並び、日本グランプリ出場車やスズライト・フロンテと続きます。オートバイは最初期のものからズラリと生産車が並んでいました。巨大なヘッドライトの黒いモデルは1956年のコレダ250TTで、テールフィン時代のアメリカ製乗用車の雰囲気が感じられるデザイン。赤/白のモデルは1961年式コレダ250TB。ホワイトウォールタイヤなどで、やはりこの時代のアメリカ車のよう。
スズキ初期のオートバイと四輪車の展示スペースは、ほとんど実車を見た記憶のない、貴重なモデルばかり。当時のカタログや広告、写真などが一緒に展示されているのも素晴らしかったです。
アサヒビールのロゴが入った軽トラックは1965年式スズライト・キャリイL20。昭和40年頃の商店街の映像が後ろに流れる楽しい展示。民家の玄関先に置かれた1967年式フロンテ360 LC10。手前のブロック塀から覗くと映像が見られる仕掛けも。赤い個体は1968年式フロンテ360SSで、ミラノ-ローマ-ナポリ750kmをアウトストラーダで走り抜ける太陽のハイウェイ・テストで使用した車両。ドライブを担当したのは、なんとスターリング・モスだった。
1964~77年の車両を展示するスペースには、まるで「三丁目の夕日」のような昭和40年頃の商店街の映像をバックにしたスズライト・キャリイや、自家用車の普及を感じさせる民家の玄関先に置かれたフロンテなど、おじさんたちがつい笑顔になる演出が施されていました。
シルバーのクルマは1965年式フロンテ800。美しいデザインが特徴の2サイクル直3エンジンFWD車。ジウジアーロデザインのキャリイバン(L40V)。これは1970年の大阪万博で使われた電気自動車。今見てもカッコいいフロンテクーペ(1971年)。小豆色がこの時代の雰囲気。ゼッケン2のバイクは1962年のマン島TTレースでE.デグナーが50ccクラス優勝を飾ったRM62。シルバーの大型バイクは1974年のRE-5。輸出専用のシングルローター・エンジン搭載モデルで、デザインはジウジアーロが担当。茶筒のようなメーターが凄い! スズキは自転車も作っていたそうで、フラッシャー付モデルやバンクル(1975年)と呼ばれるバイク風デザインのものが面白い。1970年代後半の小型バイクは自分の世代にとっては青春の象徴。手前から1977年バンバン75、1977年マメタン50、1975年ミニクロ50など。
高度成長期は次々とニューモデルが登場し、時代の移り変わりが速かった時代。おじさんたちにとっては、子供時代から青春時代にあたるため、懐かしく見させてもらいました。
1979年に登場した初代アルトは、47万円の戦略的価格で売り出された軽商用車。アルトオーナー(6代目だけど)の奥村カメラマンも興味津々。シルバーのバイクは、今もってオートバイデザインの金字塔として輝き続ける1981年のGSX1100S KATANA。ウォルターウルフカラーの2台は、左が1986年の全日本選手権用RGγ500。右がロードモデルのRG400γ。ベージュのレトロ風バイクは1991年式SW-1。2輪界のBe-1的モデル。左のブルーのオフローダーは1991年式DR800Sで、800cc単気筒エンジンを搭載。紀伊さんが昔乗っていたそうで、久々の再会を喜んでいました。
1978~85年のコーナー、そして1986年以降のコーナーにも、懐かしい四輪、二輪が所せましと並んでいて、ついつい長居をしてしまいました。スズキの長い歴史がわかる「スズキ歴史館」。浜松にお出かけの際はぜひ訪ねてみてください。事前予約をすれば、無料で入館できます。