【モデルカーズ】このクルマが新世代ロータリーのアイコンとなるか!?【MAZDAアイコニックSP】

【モデルカーズ】このクルマが新世代ロータリーのアイコンとなるか!?【MAZDAアイコニックSP】

1954年に開催された『第1回全日本自動車ショウ』を原点とする『東京モーターショー』が、コンセプトも新たに『ジャパンモビリティショー(JMS)』へと昇華されてから3年の歳月が経過した。JMSの第1回は2023年、第2回は2025年に開催されたことは記憶に新しい。いずれも新時代を予感させるクルマ、否、モビリティが多数展示されたが、その2回のJMSを振り返ってみて、はっきりと意識下に残っている、車名もしっかりと記憶しているモビリティはどれくらいおありだろうか。次期型日産GT-Rのようなクルマも話題を呼んだが、その名称は記憶にあるだろうか?

Photo:MAZDA NEWS ROOM

ここでその答え合わせをするつもりは毛頭ないが、そんな数多のモビリティの中にあっても、おそらくクルマ好きの脳裏にその姿かたちと車名をしっかりと刻んだものとして、3年前のことではあるがマツダのアイコニック SPの名を挙げることに多くの方が賛同してくれるのではないかと思う。

アイコニック SPの姿をひと目見ようとクルマ好きがマツダブースに押し寄せ、あるいは本項をお読みの方ならその順番待ちの列に並んだ、という記憶をお持ちの方も居られることだろう。

MAZDA RX-8/Photo:MAZDA NEWS ROOM
MAZDA RX-7/Photo:MAZDA NEWS ROOM

マツダがロータリーエンジン(RE)を動力源とした最後のスポーツカーとしてRX-8の生産を2013年に終えて以降、REの復活をほのめかすのは今回のアイコニックが初めてではない。2015年の東京モーターショーに出展されたRX-VISIONというコンセプトカーもまたREなくしてはこの低重心フォルムは達成できなかったことを謳っていた。しかし、RX-VISIONはあくまでコンセプトカーどまりで、その後はトーンダウンしていき、いつしか人々の記憶から消えていった。

MAZDA RX-VISION 2015/Photo:MAZDA NEWS ROOM

だから、ちょっと穿った見方をすれば、今回のアイコニック SPもその二の舞。結局のところコンセプトカーとまりだろう、とスルーしたくもなるところだが、それを跳ね除けるだけの存在感がアイコニック SPにはあった。

MAKE UP co.,LTD.

残念ながら下馬評通り、REに変速機とデファレンシャルを直結して“モーターのようなフィーリング”を味わう楽しみは潰えた。しかし、アイコニックSPはモーターのようなではなく、モーターそのもののフィーリングが楽しめ、モーターのようなREは発電機として黒子に徹することになった。REのエクスタシーをあの回転フィールに見出すのならば、オイルの消費や圧縮比の低下などを気にすることなくスポーツカーを走らせられるのは悪くないのかもしれない。「そう言うことじゃない!」とRE乗りに怒られるのは間違いないが……。

Photo:MAZDA NEWS ROOM

ルックスやサイズ感からは「すわ、次期ロードスターか!」との声も聞かれたようだが、クローズドクーペということからも、最後のRX-7、FD3SのDNAを受け継ぐものと捉えるのが自然なことのようだ。スポーツカー市場がシュリンクし続ける時代、「これは間違いなく売れる!」的なコメントは気安く口にすべきではないが、ミニバンとクロスオーバーと軽自動車で日本の路上が占有されつつある今こそ、アイコニック SPという可憐なスポーツカーがチラホラでも構わないので、路上の花として咲いて欲しいと願ってやまない。

モデルはメイクアップがマツダからのオファーを受けて開発をスタートした1/18のレジン製プロポーションモデルである。原型は実車の原型データを元に設計されており、正確無比。ただ、実車のデータをそのままリサイズすればリアルなモデルが出来るわけではなく、面表現やエッジなどは“実車以上に実車らしく見える”ためのアレンジが必須。それは原型設計技師の腕の見せ所で、実はデジタル・モデリングでありながら、アナログな人間の感性が物を言う領域。

またウィンドウパーツは、レジン製プロポーションモデルでは一般的な透明なフィルムを貼り地ける方式ではなく、別途コストのかかる金型を用意し、インジェクション成形パーツで美しい三次曲面を表現している。実車はVIOLA REDと呼ばれる、触れれば赤い透明な液体が手につくのではと錯覚させられる艶やかな塗装が印象的だったが、モデルでも実車同様にレイヤーを重ねる手法で深みある色調を実現している。

Mazda ICONIC SP 2023 通常価格:70,400円(税込)/MAKE UP co.,LTD.

メイクアップのモデルカーはすべて職人たちの手作業で製造されているため、安くはないが、眺めれば眺めるほど、その値段のゆえんを感じ取ることができるはずだ。
【メイクアップ】 マツダ アイコニック SP 商品ページ

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