シンプルな外観から想像つかないガレージは、 夢が詰め込まれた宝箱
アメリカンヴィンテージの臭いが漂う、クルマとオートバイ、アメリカントイなど遊ぶアイテムが詰まったガレージは、将来、美容室も開業できる夢のスペースだった。
木造建築ならではの梁と柱を活かして、デザインを楽しめるガレージ。
香川県で美容室『I-RIEGATE』を経営するHさん。3 人の子どもたちが成長し、子ども部屋が足りなくなることから、母屋の隣の敷地約104㎡にガレージ兼居住スペースを求めてオートバイと愛車を保管するスペース、そして将来はこのガレージで美容室も開業するための場所を確保したいと考えていた。Hさんはガレージに対する希望は、クルマが2台格納できることやクルマが入っていてもオートバイが出し入れできること。そこで考案されたのがクルマのために用意されたLIXIL 製の電動アルミシャッター2 枚とオートバイ用のシャッター1 枚。そしてガレージスペースと区別したプライベートな場所を設けるなど細かな要望があることから、ハウスメーカーや工務店では細かなことは期待できないと考えて建築設計事務所が最適と考えていた。友人に要望を理解していいただき話を聞いてもらえる建築事務所に依頼したいと考えていた。友人の紹介で『アルカディアデザイン』を訪問したのは22 年のことであった。


そこからHさんと『アルカディアデザイン』櫻井さんによる細かな意見交換がはじまり、コストダウンが可能な木造による、ガレージシャッターが3 枚ある設計プランを考案した。居室スペースからプランを描き、細かな意匠はHさんから画像が送られたものを設計図に落とし込む作業がスタート。好きなイメージ画像や、壁面のイメージ、そして世界観など半年に渡り細かな要望を取り入れ、ヴィンテージアメリカンスタイルを踏襲したようなスペースが描かれた。

クルマが最大4 台入れることができるスペースはOSB 合板の壁面で仕上げられ、のちにHさんがDIY により棚を製作して趣味であるフィッシングアイテムやロッドを保管するスペースのほか、オートバイに乗るためのヘルメットや工具など収納する場所が確保された。またタチカワブラインド製の間仕切りにより美容のスペースと、リビングが設計されカウンター、トイレ、そして衣装が多いHさんのためのウォークインクローゼットを用意して趣味を謳歌できる場所が用意された。

また2 階には約10㎡の居室スペースが用意され、主寝室としても使用が可能なスペースが用意された。実際には隣に母屋があり寝室はいらないため、現在は奥様の部屋として利用するなど自由なスペースとして使用できるようになっている。カラフルな木製のドアが印象的な部屋となっている。ガレージを見下ろすことができる廊下は、またHさんが欲しかったコレクションを展示するスペース。将来はガレージの梁を使って増築して部屋も拡張できるなど、可能性を残しているなど魅力的なガレージとなった。


左/ガレージに使用されたペンダントライト、ハモサ製ランプ、マリンライトは施主の指定で購入したもの。ハモサ製コンプトンランプはヴィンテージ感たっぷり。 右/美容室が開業することもできるスペースの壁面は レンガタイル仕上げ。シャンプー台を設置すればハサミ 1 本でプライベートな美容室の開業が可能だ。


ファッションも好きなHさんは、専用のクロー ゼットを用意。空間を最大限利用したスペースが用意された。
ガレージが完成してHさんは、今までは仕事を終えると夜釣りに出かけることが多かったが最近はガレージに直行して作業をしたり、友人たちと時間を過ごしたりと仲間や家族と過ごす時間が多くなったと語る。つまり、Hさんの要望がすべて詰め込まれたスぺースは居心地のいい居住スペースとして新たな遊び場所となっていることが分かるだろう。木造によりガレージ内には柱ができてしまったが、その柱もHさんにとってはサインを飾る重要なスペース。ライティングもすべてHさんが購入するなどビンテージアメリカンを表現したガレージとなっている。施主の要望を理解した建築デザイナー・櫻井さんと施主による打ち合わせを繰り返した結果、アメリカンヴィンテージスタイルのガレージが完成したのである。


左/梁にはアメリカのオイルブランドPENNZ OIL のサインが入る。木造などで梁があることをメリットとして活用している。 右/ご両親が海外旅行に出かけたときに手に入れた英字新聞。両面テープでディスプレイしただけだが雰囲気は満点。


左/ホームセンターに出向いて道具を揃えて、DIYにて作業をして造作した棚。オートバイを磨くためのケミカルや油脂類が保管されるほかアウトドアグッズも収納できるスペース。 右/ 2 階の廊下に用意された棚は、アメカジのアイテム、雑貨、フィギュアがディスプレイ。アメリカン雑貨ショップに行くのも楽しみの1 つ。



左/ミニキッチンとしてカウンターが設置され、床は木目調の床材で仕上げられた。簡単なお持てなしが可能なスペース。 中/大きな梁にはレジャーボートを保管。釣り、バイク、アウトドアが好きな施主にとってはガレージは宝箱のような空間となった。 右/2階に用意された2つの部屋は、将来の趣味の部屋や子どもたちが使えるスペースとして用意されている。
PLANNING DATA
所在地●香川県
家族● 5人家族
構造●木造在来工法
敷地面積●約130㎡
ガレージ面積●約80㎡
外壁仕上げ●ガルバニウム鋼鈑
内装仕上げ● OSB 合板、クロス
愛機● 2013 年式トヨタ・FJ クルーザー
2017 年式トヨタ・ハイエース 50th 限定車
1985年式ハーレー・エボリューション
1985年式ヤマハ・SR カスタム
OWNER'S CHECK
■一番気にいっているところは?
ガレージで過ごす時間が増えて、家族との距離が縮まったこと。そして、今までなかなかやらなかったDIY の作業が楽しくなった。
■ちょっと失敗したところは?
特にありません。
■次の夢はなんですか?
この場所でプライベートな美容室を開業させたい。
■読者へのアドバイスを!
気になったことは遠慮なく建築家、担当者に伝えられると納得のいくガレージになるかと思います。
Photo/Mikuto-TANAKA