【ガレージライフ】35 年間ショップを見守るガレージ。 シャッターを交換してショールームに。
横浜市にある『MOONEYES』。 ショップの裏に建築されたガレージは、 いつも買い物にきたゲストたちを出迎えてくれる。 今回はシャッターを交換したアメリカンなガレージを紹介する。

憧れのカリフォルニアガレージは、目で見て参考になることが多彩。
アメリカで故ディーン・ムーンがフリーのカメラマンとして活躍しながら1953 年にホットロッド専門店『ムーン・オートモーティブ』を創設。販売したアクセ
ルペダル、アルミ製フューエルタンク、ムーンディスクの販売により成功をおさめ『ムーン・イクイップメント・カンパニー』となり本社も現在のカリフォルニア・
サンタフェスプリングに移転している。1983 年ムーンディスクを菅沼氏(シゲ菅沼氏)が個人的に購入したことがきっかけで日本に上陸。ムーンディスクを販売することでディーン・ムーンに認められ日本での販売権を得ることになる。
ディーン・ムーン氏から認められたシゲ菅沼氏は、ムーン・イクイップメントの代理店となるムーン・オブ・ジャパンを1986 年に設立。1年後、ディーン・ムー
ンは突然この世を去ってしまうがシゲ菅沼氏は日本でもホットロッド文化を広めたいと尽力し、『ムーン・イクイップメント』が売りに出されたタイミングで1992
年買収することになった歴史を持っている。横浜・元町からスタートしたショップは現在、本牧でムーンアイズ・エリアワンを運営。サザンカリフォルニアの雰
囲気を楽しめるエリアワンにはクルマ、オートバイのオートパーツからノベルティ、ウエアまで購入することができるショップとなっている。

そのショップのカスタマーパーキング前に建築されたのがクルマ2台が格納できるテーマパークのようなガレージである。このガレージはエリアワンを訪れる人
であればだれもが憧れるスタイルで、夢を抱かせるスペースとなっている。このスペースはMOONEYESが所有するクルマが展示されるほか、軽作業を行なえるスペースとなっている。また日本を代表するピンストライパー・ワイルドマン石井氏のスタジオも兼ねている。しかしここ数年の猛暑では作業ができないという問題が生じていたため、またワイルドマンの還暦祝いも兼ねてクーラーの導入工事とともに、シャッターをショールームのようなスケルトンの横引きシャッター・ルミエールに変更することに。わずか1週間のガレージ工事が2024 年9月下旬に行われた。


左/ガレージにはSnap-On製TOOLBOXとCRAFTMAN製TOOLBOXを設置。CRAFTMAN製のTOOLBOX は持ち運 びができるためクルマに搭載も可能。壁面にディスプレイされたUSナンバープレートはナンバーフレーム付きもポイントだ。 右/ミラーは故ディーン・ムーンが実際に使用していたミラーには1960年当時のステッカーが貼られている。このカスレ具合まで再現された復刻したミラーが商品化され購入が可能。
旧シャッターを除去し、下部にレールを新設。ポリカーボネートの横引き折り戸のシャッターが入れられた。そして待望のエアコンが入れられいつでもガレー
ジはゲストが外側から拝見できるようにとリノベーションが行われた。工事中はガレージの中をすべて出さないといけないとも思ったが、そこはカバーをかけることで最低限の移動で済んだこともシャッターを入れ替えようと考えている方にも参考になるだろう。ガレージの壁面もワイルドマン石井氏の作品が展示されるなどリニューアルしている。

エアコンが導入されたことで季節に関係なく作業ができるというワイルドマン石井氏は快適な空間に変貌したガレージ兼スタジオに大満足。またシャッターを閉めた状態でもスケルトンで見せることができるガレージは風やホコリの問題も解消するなどメリットも多いという。ショップのカリフォルニアのイメージを踏襲したスペースには、クルマ、モーターサイクルを50 台以上保有するMOONEYES』の車両担当・松井氏が車両をコントロールし入れ替えを実施している。撮影日にはガレージにはスモールブロックエンジンを搭載した1/4マイル10 秒台のタイムを出す1969 年式シボレー・カマロと1932 年式フォード・モデルB ロードスター、1965 年式ハーレーダビットソンORANGE KRATE やヤマハSR をベースにコールフォスターが製作したモーターサイクルが用意された。




左 /ガレージには水栓が用意され手洗いができるようになっている。油脂類などもこのスペースにストックされている。 中 /待望のエアコンが 新設されたガレージ内。入り口の裏側に設置されたため、外側からは見 えないように。エアコンから発生する結露はパイプが新設されモーターにより吸い上げられている。 右/ガレージに保管されているのはシボレーのエンジンとへミ・エンジン。サブエンジンがストックされている。
まさにアメリカのバックヤードを表現した空間をコンセプトに建てられたガレージは、アメリカ好きなカーガイには参考になるところが多数ある。本牧、ヨコハマにあるMOON Garage は実際に足を運んでみるといいだろう。そこにはワクワクした空間があり、きっと新しい発見があることだろう。そして、既存のガレージシャッターから、リノベーションしてスケルトンにしたことでガレージの雰囲気が変わることも実感することだろう。また『MOONEYES』では2024年春にストリート・カーナショナルズを、2025年12月7日にはYokohama HOTROD CUSTOMCAR SHOW を開催し、多くのアメリカカスタムシーンの牽引をしているのであった。



左 /デッドスペースになりがちな天井にはボンネビルを走るストリームライナーとドラッグスターのエンジンフードが保管される。ガレージは作業性がいい蛍光灯により明るく 照らされる。 中 /サーフ&ロッドをテーマと掲げるスペースには、ロングボードを2枚ディスプレイ。タイヤチェンジャーがガレージにありタイヤの履き替えもできる。 右 / ガレージの壁面には、『MOONEYES』のヒット商品ムーンディスク。その中でも特殊なデザインがディスプレイされた。



左/ガレージが建築されたときに入れられたサイン。じつは壁面は吹付塗装となっていたため、下書きされた壁面をグラインダーで削りフラットにした部分にサインが入れられた。 右/太陽光が強い日差しのときに遮光ができるように設置されたロール式カーテン。プライバシーを確保するときにも使用が可能。



‘24 年の9月、リノベーションとして工事したのが『三和シヤッター』製横引き式シヤッター・ルミエール。ガラスには強化シートが貼られ、割れないように強化されている。床面には横引きシャッターのためレールが新設されたが、ガレージ内の水を排出できるようにガイドも設けられた。施錠部分にはワイルドマン石井氏による開閉サインが入れられた。
PLANNING DATA
所在地●横浜市中区本牧宮原
ガレージ面積●約68㎡
愛車●1969 年式 シボレー・カマロZ28
1932 年式 フォード・モデルB ロードスター
1965 年式 ハーレーダビッドソン・ORANGE KRATE
1992 年式 ヤマハ SR
OWNER'S CHECK
■一番気にいっているところは?
今回、エアコンが入ったことで季節に関係なくワイルドマン石井氏のスタジオとして機能することが可能となったこと。また、いつでも夢を与えられるスペースとしたいですね。
■ちょっと失敗したところは?
ガレージを設置したときから多少段差があるためスロープを設置しましたが、まだ車高が低いクルマの出し入れは気をつかいます。
■読者へのアドバイスを!
ガレージのなかに入ることはできませんが、ガレージの外から見学は可能です。カリフォルニアスタイルのガレージを参考にしてみてください。
Photo/Masatake-ISHIKO
33rd YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2025

開催日:2025年12月7日(日)
場所:パシフィコ横浜 ( Pacifico Yokohama)