【ガレージライフ】自分で設計をしたガレージハウス。 施工も行ない希少車を格納。【動画あり】
理想のガレージハウスを求めて、 建築業を営む施主のHさんは自分で設計。 躯体はプロに任せて、インテリアをコツコツと仕上げた。 Hさんの理想のガレージを紹介しよう。

昔のクルマから今のクルマまで所有。クルマの素晴らしさを次世代に。
大阪府の住宅街に建築された木造2階建てのガレージハウス。イエローのフェラーリF430が自宅前に停車され、ガレージのシャッターを開けるとまた2台クルマが現われた。1台はイタリアのスポーツカー、シザーズドアのランボルギーニ・ディアブロ。そしてもう1台はオリジナルボディの3.6LV8エンジンを搭載した、1983 年式ランボルギーニ・ジャルパという希少車。
ジャルパ350という希少車について紹介しておこう。3485cc のV 型8気筒エンジンを搭載した2シーターのミッドシップモデルは1981 年から1988 年とわずか8年間しか製造されなかったモデル。主任設計者は、元マセラティ社のジュリオ・アルフィリーニ氏が担当し、有名な闘牛に由来してジャルパという名前が与えられたという。総生産台数はわずか、410 台で現存しているジャルパは数少ないという。
なんとこのクルマはHさんの知人が所有していたクルマで、Hさんが小さいころからこのクルマを見ていたことから縁があり5年前に譲り受けたというヒストリーを持っている。

以前はクルマが1台入る戸建てに住んでいたがジャルパの他にもディアブロ、フェラーリF430を手に入れたことから新たにクルマを入れることができる戸建てを建てようと考え土地を探したところ、駅近くの立地条件がいいところに売地が出たという。ただし、最初は1軒分の約60㎡の土地しか手に入らず1台入る3階建てのガレージハウスと考えていたが、運よく奥の土地も譲っていただき合計1軒分の土地が手に入る幸運にも恵まれた木造2階建ての細長い変形の土地を手に入れることに成功した。そして建築業を営むHさんは、自分の手でクルマの飾れる家を描いたものを設計を依頼して躯体を建築してもらったが、ここから自分の手によるD.I.Y による作業がスタートした。



左/ガレージの壁面にディスプレイされたのは、ランボルギーニが 撮影した写真やカタログ。強力な両面テープで固定されている。 右/ホワイトのクロスの壁面に は本物のランボルギーニと ラーリのエンブレムが貼られる。 こちらも両面テープで固定。
スーパーカーを縦列駐車。スーパーカー横で就寝も可能。
建築業と紹介したが、設計図をベースに施工する現場が本業だったため部材や施工方法は頭の中で理解していたこともあり、自分で気に入る部材を手配して床材、壁面、外構などを自分の仕事を終えた夜中や、週末の休日を費やして1人でコツコツと作業をするという荒業となった。ガレージのコンセプトはクルマの横に部屋を設けるというコンセプトで土間を施工したあとにフェラーリF430のドアに合わせて床にはイタリア製の20mm 厚のタイルの施工とリビングならぬスペースを施工。また冷暖房を考えてYKK Ap 製の折り戸を設けるなど自分の頭に合ったものを施工していった。クロスも自分で施工するなど、かなりコストダウンにはなったが手間と時間をかけて施工。躯体があがって約4か月かけてガレージ部分を完成させたという。

2階部分はノーマルのリビングと子ども部屋を用意して、1階にすべてクルマに関するものを集約させたという拘りで実現させたガレージハウス。オーダーで建てたカーポートスペースを含めると縦列で3台のクルマが駐車できるが、1番奥側のクルマの出し入れは苦労するというが、近所の理解もありクルマを移動させるのも今となっては手慣れたもの。将来は並列で3台止められるガレージハウスも欲しいというHさん。希少車ばかりを所有しているため」「クルマを譲ってほしい」と声をかけられることが多いが、増車をすることが目的で、将来はクルマを次の世代に継承したいという。


左/各出版社から発売している書籍、ムックは見逃さず購入しているという。ランボ好きなHさんにとっては熟読して、バイブルともなっている。 右/玄関からガレージがのぞけるように最大幅のFIX のウィンドウが設けられた。壁面には友人から送られた写真が額装され飾られた。

時間を費やして完成させたガレージハウスは、まだ収納部分などは未着工のためこれから完成させる部分もあるという。クルマといっしょに寝れる家がテーマとなったガレージスぺ―スは、子どもを寝かし後に楽しむスペースとして活用している憩いの場所。そんなガレージハウスで珍しいクルマたちに出会った取材となった。




左/ガレージのライティン グはシンプルに埋め込まれたスポットライト。ショールームのような感覚でクルマが鑑賞できる。 中/ランボルギーニ・ミウラやカウンタックのデザインに参加したマルチェロ・ ガンディーニのサインをかたどってHさんが自らドアにペイント。 右 /屋内のリビングとなるスペースは、クルマがドアを開けたときにギリギリの高さで実測で決めたという。フェラーリF360のドアがギリギリになる。
【ランボルギーニ × ガレージ】自分で設計・施工をしたガレージに希少車を格納/ディアブロ/ジャルパ/フェラーリ/F430/三和シヤッター/Crastore
PLANNING DATA
所在地 ●大阪府
竣工 ●2024 年8月
敷地面積 ●156.02㎡
延床面積 ●146.83㎡
ガレージ面積●69.89㎡
施工 ●㈱Crastore
愛機 ●1983 年式ランボルギーニ・ジャルパ
1993 年式ランボルギーニ・ディアブロ
2009 年式フェラーリF430 他
OWNER'S CHECK
■一番気にいっているところは?
クルマと一緒に寝ることができるスペースがガレージの横に設けられたこと。
■ちょっと失敗したところは?
土地の間口が限られていたため、縦列で2台(最大で3台)しか止められないことが惜しかった。
■次の夢はなんですか?
次の世代にクルマに乗る人が夢となるように、イベントに参加してクルマの素晴らしさを伝えたいですね。
Photo/Keigo-KIMURA
ガレージライフvol.104掲載