【ガレージライフ】GT-R専用に建てられたモダンでインダストリアルなガレージ。
住宅を建てたと同時にGT-R のために 建築されたのは専用のガレージスペース。 モダンかつインダストリアルスタイルながら、 実に使い勝手のいいガレージが完成した。

177㎡(約53 坪)の敷地に建築したのはバンコクからクルマで約1時間走ったパトゥムターニー県にあるクン・アオフ氏のガレージ。タイでは、自分でクルマを整備する方は少ないが、このガレージにはリフトが2基入れられ、クルマを整備することが可能な珍しいスタイルのガレージ。街中にある整備工場とは異なり、趣味の範囲でクルマを整備する施主の意向を反映させている。
タイのGaragaeLife が2013 年に創刊して早12 年が経過し、タイ王国でも日本と同じようなガレージの設計、建築が増えてきました。クン・オアフ氏も雑誌GaragaeLife の影響を受けて自宅の敷地内にあるスペースには自宅とは別にガレージを建てることを計画。約2年かけて設計担当のリノハウス設計と打ち合わせをしてプロジェクトが進行した。ようやく自宅の竣工が見えてきたときにガレージのプロジェクトがスタート。自宅のリビングから見渡せることができる場所に、スケルトンのホールディングドアの採用によりいつでも愛車が見えるようなデザインで依頼。
ショールームのようなスペースにはクルマが最大5台格納できるようなスペースを確保。Ceegos 製のリフトが導入されクルマをディスプレイできるスペースを
確保。このガレージに導入されたリフトはクルマを整備するためではなく、クルマをディスプレイするためであると驚きだ。

ガレージ内に設計した趣味の部屋からクルマを眺めたときに、いかに自分が好きな愛車が恰好よく見えるかを研究したとか。リフトを導入することで3台、そして他のサイドにもクルマ、またはバイクを眺められるようにガラス張りとし、リフトの昇降によりクルマがより多く、格好よく見える答えが現在のスタイルとなったそうだ。最初はショールームのようなスペースだけとも考えていたが、クルマのカスタマイズをすることが趣味な施主はファクトリースペースも用意。次第に2階のスペースも欲しくなりプランが次々と変わったが後悔はしたくないので時間をかけて変化している。

じつはガレージを建てることになったきっかけは7年前に購入したゴールドのボディカラーの2009 年式GT-R でした。最初はエアロパーツなども装着されていないノーマルだったが、いろいろ調べてみると多くのボディキットが発売されていることが判明。日本で開催されていたオートサロンやニスモフェスティバルに訪問して、いろいろなクルマを見ているうちに自分のクルマもカスタマイズすることに。自分のクルマが変化していくうちに、カスタマイズドカーに乗る友人も増えたことから隣のファクトリーガレージを用意してクルマがメンテナスできるスペースの確保になったという。



左/友人のBMW M5を預かってホイールの履き替えを行なうファクトリースペース。リフトは4000kg まで対応するLAUNCH製リフト。このスペースはクルマのメンテナンスをするスペース。 右/ファクトリースペースは別のシャッターを持ち、TOOL BOXや水道などクルマをメンテして汚れることを前提の施設を整えている。
2階にはオフィススペースも用意して将来は、このスペースでクルマを眺めながら仕事ができることも夢みている。
ガレージの外観は自宅に合わせてホワイトを基調としているが、ガレージのインテリアになるスペースはモダンなブラックを用いたカラーとし、LED ライトによりガレージのイメージに変化を与えられるように提案していただきました。ライトをうまく活用することでショールームのように仕上げているほか、床仕上げもショールームスペースとファクトリースペースに変化をつけたほか、掃除ができるように水を流せることも導入している。


左/シャッター横のボックスにはクルマのキーを管 理するためのもの。ガレージの照明、電気もすべて 管理できるようになっていた。 右/ショールーム側 の壁面にデザインされ埋め込まれたのはLEDのラ イト。建築デザイナーに提案されて採用している。


左/ファクトリー側のスペースは、あらかじめ汚れることを想定し水洗いができるように排水溝を設置。 勾配もついているので水が流れるように。 右/ガレージと通路には勾配がついていて、水が処理 できるように排水スペースが設計されている。細かいところまで考えられている。
2023 年、冬に完成したガレージには2009 年式日産GT-R と23 年式トヨタ・スープラ、22 年式ホンダ・モンキーや16 年式M2が保管されている。ガレージが完成したことで、安心して作業をやめられるほか、趣味の部屋で寛いでリラックスできる時間が確保できたという。クルマの作業をするガレージはタイでは珍しいが、今後このようなガレージは増えていくことだろう。その設備の参考になるガレージである。


左/母屋のガーデンスペースには人工芝が敷き詰められ、パターゴルフの練習スペースとプールが設計された。 右/ガレージはアコーディディオンのスケルトン扉が設置された。ファクトリー側は電動シャッターと使い分けられている。


左/アストロプロダクツなどのメーカーのツールボックス、ワークデスクが用意されたファ クトリースペース。パーツの組み立てや洗浄などもしている。右/BMW が発売した1200cc のバイクRnineT も愛機。ガレージの奥のスペースfで保管も広いのでク ルマに干渉しないで出し入れが可能。


ガレージの床面は汚れる ことを想定してタイルスタ イルのシートを貼ってい る。ショールーム側も同 様である。 ファクトリー側のスペースは、あらかじめ汚れるこ
PLANNING DATA
所在地 ●タイ王国・パトゥムターニー県
家族 ●4人家族
構造 ●鉄骨造
敷地面積 ●約708㎡
ガレージ面積 ●約177㎡
愛機 ●2009 年式 日産GT-R
2023 年式 トヨタ・スープラ
2016 年式 BMW M2
2016 年式 BMW M5
2022 年式 ホンダ・モンキー 他