【ガレージライフ】空冷VW専門店『バスデス』 多くのVWフリークを支えている。
空冷専門VW ショップ『バスデス』。 つねに最新の情報をインプットしながら、 旧いクルマたちをチューンしていく姿は今も昔も同じ。 専門ショップに見るファクトリーを紹介しよう。

創業22 年になる空冷VW ショップ『バスデス』。
1938 年にドイツの国民車として開発され、ドイツ本国で1978 年まで。メキシコ工場では2003 年まで生産が続けられたビートルをはじめ、バスなどのモデルも開発され世界中にVW フリークがいるほどの人気のクルマ。日本国内でも現役で走っていて、全国に100 店舗に近い専門ショップが全国に点在、営業を続けている。
空冷フォルクスワーゲンのエンジンは、水平対向4気筒の空冷エンジンでオイルでエンジンを冷やすという今も昔も変わらないモーターを搭載。エンジンのチューニングパーツも豊富で排気量を変更して楽しむフリークもいるほど。そんなVW フリークを支えているのが専門ショップ『バスデス』である。18 年前にこの場所で営業を開始、もともとは資材屋だった場所を射抜きで借りて現在の姿に。『バスデス』はクルマの販売から、修理、レストア、車検などをこなし、代表の小林巨樹さんも空冷VW に乗っていた経験もある。「創業当時はバスデスとう名前からバス専門店と思われましたが、今では空冷VW 専門店として浸透しました」

工場にはつねに修理やチューニングを待つクルマが待機していて、丁寧に作業をする小林さんの腕を信頼して修理を依頼するVW フリークは多い。ショップを見回すと、整然とパーツや工具があるように見えるが、仕事の効率を考えて整理されていることがよくわかる。クラシックカーの専門ショップらしく、エンジンのケースやヘッドが並べられ、その出番を待っているのだ。工具はどのようなものを選んでいるのかと聞けば「手になじんだものが一番だけど、ケースバイケースで工具を使い分けている」という。工場内にはSnap-On やMAC TOOL、HAZET やKNIPEX など様々なブランドが並んでいる。
床は床専用塗料を開業時に施工したが、そのまま月日が経過して塗料が剥がれているとことは見受けられるものの、ゴミやパーツが何ひとつ転がっていない。これも、作業をする小林さんの性格で、掃除をすることで効率よく作業をするためだと推測している。ライティングは作業がしやすい蛍光灯を採用。エンジンを移動するために天井にはエンジンハンガーが用意されている。

工場にはリフトは2基導入され、しばらく作業のない在庫車はリフトの上で待機しているがつねに修理をしているクルマが小林さんの作業を待ち受けている。取材日にはKさんの’61 年式VW タイプ1と、Tさんの’62 年型タイプ1が待機していた。Tさんのタイプ1は、ニューエンジンを組んでいる途中で、父親がドライブしていたタイプ1を譲り受け、2代目のオーナーとしてエンジンを小林氏に組んでもらっている。事務所で仲のいい2人のVW 談義で盛り上がり資料を見ながら次のカスタマイズに耳を傾けていた。




左 MAC TOOLS のツールボックスを覗くと、きれいに整理整頓された工具 がびっしりと詰まっている。使いやす区整理されていることが良くわかる。 中 VWエンジンを移動するための必需品、 チェーンブロック。天井の鉄骨を利用して吊り上げるため、1人でもエンジンの移動ができる。 右 ファクトリーに用意された照明は蛍光灯。広範囲を照らすことができ、作業効率は抜群にいいという。
小林さんに空冷VW の魅力を訪ねると、「1台1台個性があって、自分だけのカスタマイズができるのが面白いんじゃないですか」と語る。90 年代はボディの色を塗りかえる派手なカスタマイズ、’00 年代は当時のボディを活かしたエンジンチューニング、そしてここ数年は発売当時から色を塗り替えていないパティーナというクルマたちが人気。まさに工場に入っていたクルマたちも50 年前のボディカラーを纏ったパティーナというクルマたちだ。時代とともにトレンドがあり、空冷VW に乗る人たちを見守ってきた小林さん。つねに、オーナーたちに耳を傾けながらもアドバイスを送る姿は昔から変わらない。空冷VWショップに見る、人間模様を垣間見ることができた。


左 工場には2基のリフトが入り、スペースを有効活用。もちろん、エンジンの下側からオイルを抜いたり、タイヤを履き替えるときも大活躍。 右 ドイツ生まれのフォルクスワーゲンということもあり、移動式のツールボックスはHAZET製。ブルーのカラーは空冷VW乗りの憧れの工具。


左 ユアサプライム製のYAC-70 扇風機が大活躍。マシンに水を入れて気化熱を利用して温度を下げるもので、ガレージで作業をするには最適な扇風機。 右 MAC TOOLS のキャンペーンで販売されたツールボックスを手に入れたという小林さん。インパクトを与えるイラストが、またファクトリーに映える。
BUS DEATH
愛知県名古屋市守山区川宮町303
Phone/052-794-5807
営業時間:9 〜19 時
www.busdeath.com
Photo/Masatake-ISHIKO