【ガレージライフ】将来はミュージアムの設立。 進化するガレージ計画。

今まで、多くの雑誌の取材経験があるというからNさん親子の存在を知る読者もいるかもしれない。ただし、今回取材したガレージは2023 年８月にリニューアルしたばかりというから、この姿のガレージを紹介するのは初めてとなる。まるでテーマパークのような約660㎡の敷地に用意された３棟のガレージ。
いずれもガレージに入るのは歴代のGT-R と、日産車という徹底ぶり。そのガレージを紹介しよう。

ガレージの主は29 歳になる息子さん、Tさん。父親が会社経営していることもあり現在は同じ会社を引き継いでいる。４歳のときから父親の71 年式ハコスカ、KPGC10 の助手席に乗りイベントに参加していた記憶があるというから、スカイラインの英才教育を受けてきたといっても過言ではない。免許を取得して最初にドライブしたクルマは三菱のランエボ、ターボ車であったがいつしか父親が1991 年式スカイラインGT-R、いわゆる32GT-R を見つけてきて自宅のビルトインガレージには２台のGT-R が収まるという偶然、かつ必然となってしまう。そのような矢先、知人に貸していた2014 年に建てた木造のガレージが空くということになり自分たちのガレージが増えることに。すぐに増設が決まり、１棟目のガレージは３台のクルマが収納可能になる。
親子でGT-R に乗っていることもあり、すぐにクルマの話は舞い込んできて33 GT-R、34 GT-R VSpec II.の増車となり、木造のガレージには3世代のGT-R が並んでガレージに収納ができることになった。そして今から７年前にガレージのリノベーションが行われ増設。床面はモルタル仕上げからセメントに真砂土を混ぜたニスモ・ファクトリーのような赤を配色。壁面は落ち着いたマッドブラックのクロスにして、ダウンライトを増設してガレージ内を明るくしている。同時に、メンテナンスするためのガレージも建築。あえてガレージには役割を与えて、１棟目の３台ガレージはクルマを磨くためのガレージとし、２棟目は埋設のリフトを入れたピットガレージ。そして３棟目は和モダンでハコスカを入れるための父親のガレージを建築している。

全体のコンセプトは父親と息子さんの間で話し合いをして、USJ やニスモファクトリー、ときには美術館のライティングなども研究。ガレージのアプローチは模倣に依頼してテーマパークのようなスタイルに。壁面は発砲ウレタンを使って35 GT-R のようなテールまで造作してしまっている。普通のガレージでは
つまらないという発想から、各ガレージにはテーマがあり敷地をうまく活用した３棟が建築されている。
息子さんいわく、将来は拡張して「スカイラインミュージアムのような場所を目指しています」と言う。なんと２代目のスカイライン・ケンメリとR35 の納車も予定されているなどクルマはコンディションのいいクルマをつねにチェックしている様子。友人を招いて、クルマが好きな仲間が楽しめる空間をイメージして進化させたいと、まだまだ完成ではないことがこのガレージのポイントでもある。日産が発売したスカイラインGT-R だけでも4台ある中村邸のガレージ。クルマが好きなDNA が息子さんに受け継がれたことで、ガレージも継承されていく。これこそ父親の理想のスタイルであり、望んできたことでもある。

R 好きには理想的な姿ともいえるが、なかなか思い描いていてもそれを実現させる実行力には驚きを隠せない。ハコスカが入る父親のガレージは今後詳しく紹介するとして、Tさんの世界観を誌面を通じて今回は紹介したい。まだまだ進化する可能性とスペース秘めているガレージはクルマ好きな集まる場所として将来が楽しみな空間だ。

PLANNING DATA
所在地 ●大阪府大阪市
施主 ●Nさん
敷地面積 ●220 坪
ガレージ面積 ●メイン150㎡ PIT GARAGE80㎡
外装仕上げ ●サイディング
内装仕上げ ●クロス
施工 ●株式会社TATEYA
愛機 ●1991 年式BNR32 STD
1997 年式BCNR33 Vspec
2001 年式BNR34 Vspec II.
他