【ガレージライフ】グッドロケーションに建てた躯体は、 アメリカンスタイルの大きなガレージ

道を行き交う人が「ここはショップですか」と 尋ねてくるアメリカンスタイルのドーム型ガレージ。 シャッターを開けると、プライベートなスペースが登場。 まるで西海岸のようなロケーションのガレージを紹介しよう。

【ガレージライフ】グッドロケーションに建てた躯体は、 アメリカンスタイルの大きなガレージ
まるで海外のような海辺に建てら れたTさんのガレージ。4 本のココスヤシと、グリーンを敷き詰めた ガーデンスペースが美しい。

西海岸にいるような錯覚になる海を眺めることができるロケーションにアメリカンガレージを建てたのは、広島県在住のT さん。ガレージを建てたくて自宅から通える好条件の土地を5 年近く探していた。Tさんは、躯体はどのようにでもなるが、建築する環境は揃えることができても、まわりの環境はどうにもできないと納得するまで土地を自分で探していた。知人の近所に約200 坪の土地があることを知り売っていただけないか交渉、そして2022 年に現在の海が望める最高のロケーションの購入にこぎつけた。その場所とは穏やかな瀬戸内海に面していて、大小さまざまな島が望める場所だった。

土地を購入後、アメリカンスタイルのガレージを希望していたT さんはアメリカンな木造の2×4ガレージも検討したが、ハーレーに乗っていた知人のガレージに伺ったときに見たスチールスパンのガレージに一目ぼれ。アメリカンスチールスパンModel- P をベースに土地のサイズに合わせたキットを、アメリカンガレージを輸入している『ガレージワン』にオーダーした。アメリカンガレージの最大のメリットは幅を300mm スパン、奥行きは622.3mm ずつでサイズの変更ができるため指定できること。T さんは幅8.966m、奥行き13.347mでオーダー、アメリカから材料が届いたのは23 年夏のことだった。


土地を整備し、躯体の組み立てがスタート。地元の工務店に組み建てを依頼も『ガレージワン』からスタッフも駆けつけ3日かけてアーチの躯体は立ち上がった。アメリカンスチールスパンだけだと隙間からのホコリの侵入が心配だったため、対策として設置面の防塵対策をしている。躯体が完成後、内装は事務所兼打ち合わせができるスペースを木造軸組み工法で造作した。海が見える眺望を活かしながら、クリナップ製のアイランド型キッチンやユニットバスが導入されたほか、トイレなども完備されている。


シャッターは『三和シヤッター』製ワイドサイズの軽量電動式シャッターが導入された。
外構はコンクリートを打たなかったスペースに宮崎県にあるヤシ専門店『洋香園』に自分の目で見に行きヤシの木を4 本選定。人工芝を施工するなどTさんが目指すアメリカンスタイルで仕上げている。

躯体が竣工してから、仕事が多忙になりなかなか手が入れられなかったがボディをオールペイントしていた’51 年式フォルクスワーゲン・タイプ1もガレージに戻り、よりアメリカンスタイルが強調された。
撮影日当日は天候にも恵まれ、普段からTさんとVW 仲間である友人がVW に乗ってガレージの完成を祝うように遊びにきていた。建築の様子を見ていた近所の方からは、「何屋さんが出来るのですか?」「このガレージは販売しますか?」など質問が飛び交っていた。ロケーションが抜群なスペースは、施主のT さんも友人たちを招いて楽しんでいきたいと考えている。

T さんのガレージライフはスタートしたばかりで、これから少しづつガレージは進化していくに違いない。アメリカンなスタイルに拘ったことで、スチールスパンの構造に、事務所機能も視野に自由度が高いガレージに大きく変化している。T 邸はスチールスパンガレージの新しい使い方の提案ともいえるだろう。

PLANNING DATA
施主 T さん
敷地面積 約200 坪
ガレージ面積 約40 坪
構造 スチールスパン
外装仕上げ スチールスパン
設計者 ガレージワン
愛機1951 VWタイプ1
ホンダ・モトコンポ

OWNER'S CHECK
一番気にいっているところは?

拘って探した、ガレージから見える借景。毎日、朝陽が見
えるほか水平線を走るクルーザーなどが楽しめるのは最高。

ちょっと失敗したところは?

ユニットシャワーしか設置しなかったため、ユニットバスにしてお
けばもっと寛ぐことができたかもしれないと考えています。

次の夢はなんですか?

お世話になった方や、友人たちとこのスペースを共有して楽しみ
たい。仲間の人たちが楽しめる場所としたいですね。

Photo/Masatake-ISHIKO